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読書日誌:誰が日本の医療を殺すのか

読了日:2007/09/28
書名:誰が日本の医療を殺すのか ── 「医療崩壊」の知られざる真実
著者:本田宏
出版年:2007年
出版社:新書Y(洋泉社)
コメント
「医療崩壊」を告発する医療側のスポークスマンとして小松秀樹氏同様、強力なメッセージを発し続けている著者による、非常に明快な主張を著した本。
医師を増やし、医療に国費をもっと投入せよという彼の主張には基本的に賛成なのだが、あまりに明快すぎて、皮肉屋の私はつい、「けどね…」と言いたくなる。
例えば。氏は、一般勤務医の給料はさして高くないと、大企業社員の平均年収などを引き合いに出して主張する。それはその通りなのだろうが、施設数で言うともっとも多いのは民間中小病院と思われる。こうした病院は所詮ローカルな小企業(=医療法人)に過ぎない。そしてこうした中小病院内での医師と他職種職員との給与の差は厳然としてある。給与の格差は、本当に組織に対する貢献度の差に見合っているのか、時に疑問を感じることは、病院で働く者として、ままある。
更に言うなら、同じ施設で働きながら、自分の倍ほどの給与を得ている人に対しては、それなりの人格の成熟度や、社会人としての見識の高さを求めてしまうのが人情だが(この要求に正当な根拠があるわけではないが)、「???」と感じるケースが、私自身の経験に照らしてみて、これまで全くなかったわけでは、決してない。
とまれ、ここ数年~十数年(?)、医療界がやや過剰なバッシングに会ってきたのも事実だと思う。本書は、この1~2年の間に湧いてきた、医療側からの反転攻勢の気運を反映する一冊に位置づけられるだろう。心強いといえば、心強い。

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