あやしいビラ>国籍法改定反対
昨日(11/28)、近所の図書館(市立図書館の分館)に行ったら、入口のところにある各種イベントなどの告知ビラが置いてある場所に、あやしいビラが数十枚積んであるのを見つけた。
ビラには発行者の名前も連絡先も入っていない。匿名ビラである。内容は国籍法改定に反対するもので、見出しには「日本は「国籍を大安売りして」「外国人に政治を任せる」国になりそうです」などとある。マンガ(→ 図)もついている。老婆を訪ねてきた母子が、夫の「母の世話をするように」との遺言に従い、その老婆を訪ねてきたと語る状況を描くものだ。老婆はこの母子に面識がない。母子のうち母の方は外国人のようだ。子供はハーフということになる。美しい(?)話だ。だが、この老婆は「本当かしら、怖い」と、不安に慄いている。
国籍法改定によって、父母の婚姻関係がなくても日本国籍が得られる子供が増えるのは事実だとしても、そのこととこのマンガが説明しようとする状況とどう関係するのか良く分からない。そしてこのマンガは、「この法案によってあなたの周りに得体の知れない人間が増えていくかもしれません」と煽っている。

で、このビラの作者は、結局のところ、国籍法改定の何を問題にしようとしているのだろう? その主張を拾ってみた。
・日本は「国籍を大安売りして」「外国人に政治を任せる」国になりそうです
・国家解体に直結する売国法案
・このままでは日本に全く関係のない「日本人」が大量に誕生し、日本の政治に参加するようになるかもしれません
・外国から子供を連れてきて「両親」という立場を隠れ蓑にした大人達が、子供を犯罪目的に利用することも可能になってしまいます
なんだかねーって感じなのだが、どうやらこの作者がもっとも危惧しているのは、「他民族の血統」が日本国民の中に入ってきて、国政などに影響を及ぼすことのようだ。また、この作者にとっては、「他民族の血統」を持つ者は、たとえ日本国籍を取得しても、「外国人」であり、「日本に全く関係のない日本人」であり続けるようだ。日本はけっして「単一民族国家」ではないし、「日本民族の純血性」なんて幻想なんだけどね。
それともう1つ。
ビラでは今回の改定案が、諸外国と比べて国籍取得の条件が甘すぎると主張している。英米などでは語学テストや収入条件のクリアが必要だが、日本ではそうしたものがないというのだ。だが、欧米の国籍取得の考え方は、主流は出生地主義のはずだ。出生地主義の国のルールと、日本のような血統主義の国のルールを、前提条件なしに一面だけ取り上げて比較し、批判しても意味がない。ビラは意図的かどうか知らないが、出生地主義という選択肢があることに全く触れていない。ちなみに、日本の国籍法の原則は出生地主義に変えるべきだと、ぼくは思っている。ドイツが変えたように。
さて。この匿名ビラだが、参照URLとしてhttp://www19.atwiki.jp/kokuseki/が示されている。このサイトへ行ってみると、何のことはない。このビラそのものがダウンロードできるようになっている。で、ビラをそこら辺にばらまこうとも呼びかけている。なーんだ、そうゆう動きがあったわけか。
そこで、Googleで「国籍法」で検索してみると、このサイトを含め、こおゆう感じの反対運動っぽいものがそこそこヒットした。また、テクノラティで「国籍法」の語によりブログ検索を行うと、国籍法に言及している記事が本年11月中旬から急増していることが分かる(→ 図)。もっとも、検索のスパンをもっと長くとると、今年6月初めにも現在以上のピークが出来ているのだが……。

ま、こーした諸君も、細々と(?)主張をしているわけだ……。
とまれ、匿名ビラがゲリラ的に公共施設などに置かれているというのも、いまいち気に入らない。紙版2ちゃんねるみたいなもので。
参照URLとして示されたサイトにしても、wiki版ということで、責任の所在がどこにあるのかないのか、これまた良く分からないという具合なのだ。どうもこおゆう文化は良くない。
さしあたり、ビラを見つけた図書館(分館)では、司書のお姉さんに、こんなものが置いてあるよと指摘しておいた。また、市民図書館(事務局)宛に、匿名ビラが図書館に置かれているのは如何なものかと、メールを送っておいた。あまり言論統制めいたことに手を貸したくはないのだが……。



Comments
ドイツも結局はドイツ人以外のドイツ人?専用の町を作りましたがね。根本的に問題なのは本当に親子かどうか証明しなくても良いことにある
Posted by: マッチャン | November 30, 2008 at 12:07 AM
ブログオーナー様。
本件に関し、ブログにエントリーして戴きありがとうございます。
ビラに関してですが、やはり任意団体発行の物の方が信頼おけるのでしょうか?
貴殿の様に『匿名ビラ』に抵抗を感じるのが一般的であれば、現在は草の根運動ですが、今後考慮したいと思います。
Posted by: 国籍法 B-TEAM | December 22, 2008 at 07:42 AM
匿名ビラ、今回の場合、もちっと正確にいうと無署名ビラですね。これはやはり問題ありと思います。まず発行主体が誰なのか明記されていること、そしてできればせめてメアドなりが書かれていて、ビラの読者との応答可能性が開かれていることが必要だと思います。責任とは応答可能性(responsibility)のことですから。
また、Webサイトにビラ原稿を置いといて、他人に配ってもらおうというのであれば、配布者(ないし団体)名が書き込める欄も作っておくのがベターだと思います。
Posted by: いとえー | December 23, 2008 at 09:14 PM