読書日誌:百鬼夜行絵巻の謎
読了日:2009/01/17
書名:百鬼夜行絵巻の謎
著者:小松和彦
出版年:2008年
出版社:集英社新書ヴィジュアル版
コメント:
大勢の鬼や異形の者たちが夜の大路を群れをなして移動する様子を表した百鬼夜行絵巻には多数の伝本がある。著者は、このうち60余の伝本の画像情報を収集・分析することで、従来定説とされていた、これら伝本成立の系統樹の大幅な書き換えを提起する。
と、このように書くと、本書はとても学術的(美術史・文学史)でマニアックな本のように思えるが、事実その通り、本書は学者の問題意識と研究プロセスに沿って書かれており、しかもとてもマニアックだ。
だが、このように書き換えられた系統樹をふまえ、百鬼夜行絵巻が成立した背景を述べる本書終盤の記述からほの見える、中世の人々の精神世界は何とも妖しく、魅力的である。また、図版がきれいで、なかなかに楽しめる。愉快な本だ。



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