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読書日誌:アジア・太平洋戦争 ── シリーズ日本近現代史(6)

読了日:2009/06/23
書名:アジア・太平洋戦争
著者:吉田裕
出版年:2007年
出版社:岩波新書
コメント
シリーズ日本近現代史(全10巻)の第6巻。
対米英戦開戦から戦局の推移、そして敗戦へといたる経過を追いながら、ところどころに挿みこまれる統計資料がなかなか興味深い。空母および艦載機数の変遷の日米比較とか、陸軍兵力の地域別配置数の年次推移、鉱工業生産額部門別順位の変化(1937年と1942年の比較)、陸海軍戦死者数の年次推移(岩手県の例)、等々である。
また、内務省警保局などが作成した民心の動向についてのレポートが数ヶ所引用されているのも面白い。これによると、戦争末期、民衆の間に蔓延していった厭戦気分は相当な拡がりだったようだ。ファナティックな玉砕精神に大部分の日本人が毒されていたかのような印象をぼくは持っていたが、かならずしもそんな感じではなさそうだ。であるならば、戦後の日本が比較的スムーズに「平和と民主主義」路線に乗りかえられたのも納得がいく。戦中からすでにそれを受け入れる民衆的基盤が存在したわけだ。
とは言え、逆にいうと、それはまた、アジアへの侵略に対する「痛苦な反省」をともなうそれではなかったということでもある。
考えさせられるところ大なる1冊である。

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