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読書日誌:キメラ ―― 満洲国の肖像

読了日:2009/08/05
書名:キメラ ―― 満洲国の肖像
著者:山室信一
出版年:1993年
出版社:中公新書
コメント
満洲国といえば、言うまでもなく、1932年から1945年の間、中国東北地方に存在した日本の傀儡国家である。だが、著者はこう書く。

しかし、にもかかわらず、こと満洲国に関するかぎり、それはけっして単なる傀儡国家、植民地国家ではなく、欧米の帝国主義支配を排してアジアに理想国家を建設する運動の場であった、満洲国建設は一種のユートピア実現の試みであった、とする見方が、1945年以降も牢固として存在しつづけてきたこともまた紛れもない事実である。

著者は、このようなユートピア論を批判しつつ、このような論が発生するにいたる建国の背景、国家理念、統治機構の特色などをきめ細かく呈示し、「満洲国の肖像」を描き出す。労作である。

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