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訃報:COML辻本好子さん

6月18日、ささえあい医療人権センターCOML代表、辻本好子さんが亡くなった。1990年に「賢い患者になりましょう」を合言葉にCOMLを立ち上げて以来、目覚ましい働きぶりだった。おいらは辻本さんと直接の面識はなかったが、各種の講演やシンポジウムのパネリストとして何度もお目にかかってきた。

医療者-患者関係において、おいらが持論である「両側から超える」を語るとき、両側の一方である「患者側から超える」営みとは、辻本さんやCOMLの活動をモデルとしてイメージしてきた。昨年ある機関誌においらが寄せた小文の中でCOMLの記事の一部を引用しているが、この記事の筆者は辻本さんである。

COMLのニューズレターに書いていた自身の患者体験記では、辻本さんは自ら信ずる「患者道」を身をもって実践しているかのようだった。COMLブログでも、辻本さんは今月まで文章を寄せ、生前最後の投稿となった文章で、深刻な病状についてカミングアウトしている。だがこの文章にも辻本さんらしい冷静さと軽妙さが滲んでいて、今、あらためて読むと何ともいえない気分になる。

何はともあれ、辻本さん、お疲れさまでした。ご冥福を祈ります。

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診療情報管理士から見たAi

前の記事からの続き)

さて、おいらは病院で診療情報管理士として働いている。診療情報管理士としてのおいらの視点からすると、海堂のいう「社会システムとしてのAi(死亡時画像診断)」という概念は、実にすんなりと納得できる。

Aiプリンシプルとはこう。

1)Aiは医療従事者が実施する
2)死因情報は遺族と市民社会に公開される
3)実施費用は「医療費外」から医療現場に支払われる

そして、解剖に比べ非破壊検査であるAiは、解剖よりもはるかに多数の死亡に対応でき、死亡という医療のエンドポイントにおいて多くの所見情報が得られる。死亡全例においてこうした死亡時医学検索が行われれば、医学の上でも、死因についての遺族の納得の上でも、とても有用だ。Aiで死因が分からなければ解剖へと進めば良い。

診療情報管理士の業務の1つは病歴登録だ。われわれにとって重要な情報は退院サマリー。退院という医療のエンドポイントにおける要約書である。われわれは退院サマリー等をもとに病歴を登録し、データベース化する。さらに2011年現在で全国に1,600あまりあるDPC関連病院では、退院サマリ情報は標準フォーマットに入力された上、DPC調査事務局に集約されている。こうした情報の集積が、臨床疫学をはじめとした医学の進展に大いに役立っていることをわれわれは知っている。だから、Ai情報の集積がとても有用なものということは、素直に納得できる。

また、診療情報管理士が関わる業務としてカルテ開示がある。当然、死亡例もある。死亡退院した患者の家族に対し、依頼があれば診療に関わる記録をすべてお渡しする。死因や医療内容について家族が不信を持っている場合も当然あるが、われわれとすれば、情報をすべてお見せすることで、逆に不信を解いていただければという想いを抱きながらやっている。だから、死亡例についてAiが当たり前のようにルーチンで行われ、読影所見が死亡診断書とともに当たり前のように家族に渡され、説明されるという未来は、何ら違和感なく受け入れることができる。そしてそのような未来が実現するためには、実施費用に対する手当が必須なのも、現場にいればよく分かることだ。

「社会システムとしてのAi」。実に良いじゃないか!

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読書日誌:ゴーゴーAi

読了日:2011/06/16
書名:ゴーゴーAi ―― アカデミズム闘争4000日
著者:海堂尊
出版年:2011年
出版社:講談社
コメント
今や医療ミステリー作家としてとても著名な病理医、海堂尊が、はじめてAi(Autopsy Imaging;死亡時画像診断)の着想を得た1999年から現在までの、「社会システムとしてのAi」普及のために奮闘した約4,000日に及ぶ闘争日誌。ノンフィクションである。

医学の発展と死因究明のためにAiが必要だと確信したその日から、海堂はAiの研究と普及のため、精力的に活動するが、やがて抵抗勢力との激しいバトルが始まる。

本書が描く約10年あまりの間には、横浜市立大病院患者取り違え事件に端を発する「医療安全元年」があり、診療関連死モデル事業、医療事故調査委員会の創設検討、福島県立大野病院事件といわゆる「医療崩壊」の社会問題化があり、そして作家海堂尊のデビューがあった。海堂はAiの観点から厚労省と解剖系医学会上層部が進める「解剖至上主義」的死因究明制度方針を批判し、その批判はやがて訴訟沙汰にまで発展する。

「悪の凡庸さ」という言葉があるが、ごく当り前でささやかな社会変革と思われるAi推進運動は、実につまらなくも激しい妨害に逢う。変革とは得てしてこういうものだ。しかし、10年間でAiは大きく進展する。こうしたAi推進運動の実態を仔細に描く本書は、トホホとアハハが同居する、しかし、どこか勇気づけられる、楽しいドキュメントである。

次の記事に続く。

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寒風山

5月30日、台風明けの晴れ間を狙い、稲叢山に向かった。しかし、倒木のため道路が通行できず予定変更。寒風山へ。
下界は晴れているが山の上は深いガスに包まれ、霧雨状態。だが、森の樹々と対話するにはこれくらいがちょうどよい。展望はまったく得られなかったが、咲き残りのアケボノツツジをはじめ多くの花々と出会えた。

→ 詳細は、「デジカメ山行記」
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