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読書日誌:ゴーゴーAi

読了日:2011/06/16
書名:ゴーゴーAi ―― アカデミズム闘争4000日
著者:海堂尊
出版年:2011年
出版社:講談社
コメント
今や医療ミステリー作家としてとても著名な病理医、海堂尊が、はじめてAi(Autopsy Imaging;死亡時画像診断)の着想を得た1999年から現在までの、「社会システムとしてのAi」普及のために奮闘した約4,000日に及ぶ闘争日誌。ノンフィクションである。

医学の発展と死因究明のためにAiが必要だと確信したその日から、海堂はAiの研究と普及のため、精力的に活動するが、やがて抵抗勢力との激しいバトルが始まる。

本書が描く約10年あまりの間には、横浜市立大病院患者取り違え事件に端を発する「医療安全元年」があり、診療関連死モデル事業、医療事故調査委員会の創設検討、福島県立大野病院事件といわゆる「医療崩壊」の社会問題化があり、そして作家海堂尊のデビューがあった。海堂はAiの観点から厚労省と解剖系医学会上層部が進める「解剖至上主義」的死因究明制度方針を批判し、その批判はやがて訴訟沙汰にまで発展する。

「悪の凡庸さ」という言葉があるが、ごく当り前でささやかな社会変革と思われるAi推進運動は、実につまらなくも激しい妨害に逢う。変革とは得てしてこういうものだ。しかし、10年間でAiは大きく進展する。こうしたAi推進運動の実態を仔細に描く本書は、トホホとアハハが同居する、しかし、どこか勇気づけられる、楽しいドキュメントである。

次の記事に続く。

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